シストラン、米国防総省TSMで「Awardable」認定を取得
シストランは、米国防総省の Chief Digital and Artificial Intelligence Office(CDAO)が運営するTradewinds Solutions Marketplace(TSM)において、2024年に唯一の翻訳システムとして「Awardable(調達可能)」ステータスを取得しました。
この認定は、シストランのAI翻訳技術が、防衛分野のAI・デジタル調達における新たな基準を満たしたことを示すものです。高度なセキュリティ要件と技術評価をすべてクリアし、防衛機関が安全かつ迅速に導入できる技術として正式に登録されました。

01防衛分野の技術採用を加速するTSM
2022年に設立された Tradewinds Solutions Marketplace(TSM)は、人口知能(AI)/機械学習(ML)、データ分析、デジタル技術分野における課題に対し、米国防総省が安全かつ効率的に導入できるソリューションを選定するためのオンライン・プラットフォームです。従来の複雑で時間のかかる調達プロセスを見直し、民間の革新的技術を防衛機関へスピーディに導入するための仕組みとして機能しています。
「Awardable」を取得するには、サイバーセキュリティ、輸出管理、運用認可、施設認証などの厳格な安全基準をすべて満たすことが求められます。
02技術力とセキュリティを両立した強み
シストランのAI翻訳ソリューションは、Tradewindsが定義する主要領域のひとつである「状況認識と意思決定の改善(Improving situational awareness and decision-making)」の分野で、防衛機関のミッション要件を満たすものとして評価されました。
この領域は、周囲の状況や脅威、機会を正確に把握し、リアルタイムで最適な判断を行うための先進技術を指します。シストランは、多言語情報を即座に理解可能な形に変換することで、意思決定を支援しています。

03日本の防衛調達新基準にも適合
シストランでは、防衛・政府分野での安全な情報活用を支援するため、AI翻訳を通じて多言語環境下での意思決定を支える取り組みを続けています。今回の「Awardable」認定は、高度なAI技術だけでなく、機密情報を扱うための実績あるセキュリティ体制も評価された結果です。
具体的に、米国防総省へのシステム納入時に求められる厳格なセキュリティ基準STIGs(Security Technical Implementation Guides)を継続的にクリアしてきた実績を持っています。このSTIGsは、国家機密情報を保護するための包括的なセキュリティフレームワークである NIST SP800-53 に準拠しており、シストランのソフトウェアは同等レベルの要件を満たしています。
そのため、シストランのソフトウェアは、NIST SP800-171(機密以外の重要情報を対象) に基づく日本の防衛調達新基準にも対応可能な構成となっており、セキュリティ要件が年々厳格化する環境下でも、将来的な基準強化を見据えた堅牢性を備えています。
04まとめ
Tradewinds Solutions Marketplaceでの「Awardable」認定は、シストランが防衛分野のAI・デジタル調達における新しいスタンダードを満たしたことを示す重要な成果です。
今後もシストランは、防衛・政府機関をはじめとするお客様に対し、安全性・高品質・スピードを兼ね備えたAI翻訳ソリューションを提供し、機密情報を扱う現場での多言語化と意思決定の高度化を支援してまいります。
05参考資料
1. SYSTRAN Achieves “Awardable” Status in DoD’s Tradewinds Solutions Marketplace
2. Tradewinds FY2024 Year in Review
3. Defense Tech最前線:AIが変革する安全保障の現状と課題
4. 防衛産業に迫るセキュリティ対策、NIST SP800-171とは?